3万円で3Dプリンタを買って、ちゃんと使えるようにするまで その1

Jumpei Takiyasu
6 min readDec 15, 2018

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3Dプリンタを買った。本体は2.5万円で、色々あってトータル3万円強で、まあまあ使えるようになってきた。激安ならではのメリットとして、いろんなノウハウがネットに転がっているので、3Dプリンタで3Dプリント以外も楽しみたい人はおすすめ。

発注、組み立て、テスト犬

これから紹介するものは、全部Amazonから揃えることができる。洗剤を頼んだくらいのノリで当然のように3Dプリンタ本体も発注翌日に届いたので、「マイナー部品を何日もかけて発注するくらいなら、3Dプリンタ発注して翌日に印刷すればいいじゃん。未来じゃん。」と思った。その時は。

こういう感じで来るので、IKEAみたいな無言の説明書にそって、ネジをとめるだけ

届くなり玄関で組み立て、はじめからSDカードに入っているテストプリント用の犬の下半分を、これまた付属しているテスト用のPLAフィラメントでプリントして(そこでお試しフィラメントは尽きる、なんでだ・・)その日は終わった。作りたいものの都合上、PLAでなはくて、ちょっと丈夫らしいABSのフィラメントを発注してみた。参考にしたサイトにABSは匂いが強いと書いてあったが、買ったフィラメントはお試しのPLAより匂いがしないくらい無臭だった。

一層目がくっつかない

というのは初心者が通る第一の関門なのかもしれない。Amazonで買ったEnder 3にはヒートベッドに敷くためのシートと、その代わりに使えるガラス板が付属していた。両方試しても全然一層目がつかない。

スティックのりを塗るのが定石らしいが、ABSを使うためヒートベットを100℃にしてるので、すごいスピードでカピカピになってしまう。さらに、塗ったのりがダマになるので、せっかくガラスまで使って平坦にしたのは何だったの!という気分だ。水でふやかして騙し騙しプリントすると、時々はくっついてくれるのだが、ちょっとでも高さがあるものを作ると、造形物自体の反りに負けて、端っこが浮いてしまう。プリント中に浮いてしまうとそこから先はうまく行かないので、そこまでのプリント時間がまるまる無駄になるのだ。なんだったら最初に失敗がわかったほうが傷が浅いのに。

そんなことで何メートルかフィラメントを無駄にしたあと、評判が良さそうなプラットフォームシートを買ってみた。触ってみてベタベタしてるわけでもないのに、評判そのままの異常なくっつきぷりを発揮する。なんと、今度は、剥がれない。

できたものが剥がれない

このあと剥がれなくなるやつ。モデルはこれ

ガラスに貼っているばっかりに、シートの方を反らせて剥がすこともできず、Ender 3の付属品のスパチュラを使うのだが、刃先に厚みがあるので、くっついている造形物の側面をめがけて打撃を与えてやるくらいしかできない。さらに角が荒いので、ガシガシやるとお高いプラットフォームシートにどうしても傷がつくのだった。そこで、今度は剥がすための道具として、先が丸くて薄いスパチュラを購入してみると、効果はてきめん。これは安いのでとりあえず買っておいて損はない。コツとしては45°でBrimと造形物の間に切り込んでから、10°くらいまで寝かせてグリグリと隙間に押し込んだあとに、スパチュラの刃が生えている方向を軸にひねるとポコっと取れる。ちなみに、下で紹介しているものは、ちょっと刃が長くてたわむので、短いバージョンを買うともっと良いかもしれない。

最近は、数センチの小物だったら平面なんてたかが知れてると割り切って、プラスチックの方をつかっている。シートを反らすことができるので剥がすのが格段に簡単になる。付属のプラスチックの板の表面(ロゴがある方)にはシートがくっつかないので、裏側につけるとよい。Brimみたいな薄い部分は結局削り取る感じになるので、スパチュラはどっちにしても活躍する。

3Dプリントするための3Dプリントをしよう

さあ、1層目がくっつくし、はがせる、ということはプリントはできるようになったわけだが、この段階になると次は3Dプリンタを改造したくなってくるはずだ。早い段階で目的を見失いつつある。よくない。

モデルを共有するサイトにカテゴリとして「3Dプリンタのパーツ」というのがある。なので、テストプリントやキャリブレーション用のモデルを探していると、ついでに面白そうなパーツがたくさん見つかる。プリンタ自体が激安ということもあって、同じモデルを使っている人が多く、そのまんまプリントすれば使えるのだ。

そうなってくると、BLtouch、Octoprint、Marlinというキーワードが見つかるので、「あ、Ender3買ったら最初にこれやるんだな」ということに気づけるのだ。早く何かプリントしろよ。

つづきます

次は、オートレベリングを導入したり、液晶画面がいらない子になる話です。

※この記事にはAmazonアソシエイトのリンクが含まれます。今年のクリスマスプレゼントを3Dプリンタにすると、年末年始に試行錯誤できてちょうどいいですね!

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Jumpei Takiyasu

Software Engineer, Team Lead & Product Manager at M3, Inc. Gopher ʕ◔ϖ◔ʔ